銅版画に憧れ続けた話
次回の個展でも銅版画を・・
上の記事でもお知らせしました
9/1〜9/8
大阪・天満橋The14th MOONギャラリーにて
個展「しずくふたつ6滴目〜詰め合わせ〜」
淡々と、粛々と準備を進めています。
魂の伴侶の絵
「しずくふたつ」シリーズの他に、
銅版画作品の新作も展示する予定で、
で、いち早く新作をちらほらお披露目しています。
よろしければご覧になってみてくださいね。
銅版画に魅せられて
唐突な、一人語り失礼します。(え)
ちょっと自分のためにも、
銅版画のことを
記事に書き残しておきたくなりました。
ふふふ。
私が初めて銅版画に触れたのは
確か2012年です。
東京ピンポイントギャラリーさん(移転前)
主催の
銅版画ワークショップに参加したのが初めてでした。
いろんなお仕事、
特に小説の装画などでご活躍の
銅版画作家・水上多摩江さんご指導のもと、
実際、
その日中に、
一つの作品を仕上げました。
それが、これです。
(2012年 「一輪車に乗る娘たち(仮)」)
エッチングと、
色版画を組み合わせた技法ですが、
プレス機のバーをグルグル回して
作品が仕上がった時、
なんとも言えないくらいの感激が
わたしを襲いました。
そもそも、もっと遡っての話・・・
まだ高校生くらいの頃、
銅版画家の山本容子さんの作品がすごく好きで、
当時のNHK講座のムック教本なんかも
買ったりしてたのです。
でも、
田舎で銅版画できる場所もないし、
美大なら銅版画できる?って思って、
(銅版画に限らず、絵の方向に行きたかったのです)
「美大に行きたい」と両親に行ったら、
案の定、猛烈な反対にあい(そんな時代でした)
ヘタレな私は(笑)
美大を諦めて、普通の大学に行きました。
でも、心のどこかでずっと
「絵を描くこと」や
そもそもの憧れだった「銅版画」への思いが
長く、くすぶっていたのかもしれません。
実際、
イラストレーターに運良く、なれて、
仕事で絵を描くことが叶いつつも、
時々は、
高校生の時に買った
山本容子さんのムック本を
引っ張り出してきて、
「いつか、やりたいなあ・・」
と思い続けていました。
こんな風に、何年も
銅版画に憧れ続けているのに
なかなか実際に触れる機会すらない・・
そんな時期が長く続いていた頃、
東京のギャラリーでの
銅版画ワークショップ講座を見つけたのです。
「これは!!」と飛びつきました。
念願の・・・でしたから。
実際、
ワークショップで製作している最中
とにかく、
「嬉しい」「楽しい」ばっかりでした(笑)
事前に、
さっきの絵のモチーフの下書きは
用意していきましたけど、
銅板にニードルで描くぞって時、
今まで経験したことないって過程もあって、
ワクワク、ワクワク
ひゃーー、嬉しいーーー♡♡(語彙力)
そして、
銅板にインクを詰めて、
いよいよプレス機で製版するぞってなったら、
もう、
私の心は「お祭り状態」ですよ。(なにそれ)
とにかく
嬉しくて嬉しくてしょうがなかったことを
よく覚えています(笑)
それから、またしばらく経って・・
一度、味わった
この「喜び」を忘れられなくて、
和歌山に帰ってきて、
すぐに近くで
銅版画できる場所がないかどうか調べました。
でも、
なかなか、見つけることができません。
県外の銅版画教室も見つけたものの、
授業料(まあまあする・・笑)に加えて、
毎回の交通費諸々を考えたら
現実的には無理でした。
(うちの地域から大阪への移動、
最安手段の高速バスでも往復5,000円程度かかります。
これが何度も、と重なると大きいでしょう?
時間も片道2時間かかるので、ほぼ1日仕事になりますし。)
しかし、諦めの悪いわたしは、
銅版画のことを思い出す度に
ちょこちょこと調べていました。
そしたら、です。
実は、2014年あたり、
月一通っていた、別の講座があったんですが、
そこの受講生仲間さんが
「わたし、銅版画教室行ってますけど、
そこ、いいですよ。」
と、教えてくれたのです。
話を聞くと、
京都市内だったんですけど、
交通費を考えても、
「それなら、不定期でも通える!」
と思ってしまう好条件でした。
日曜限定でしたから、
娘たちと過ごす時間が減りますが、
月に一回くらいなら、と思って、
2015年4月から、
に通い始めました。
(「遊」さんは毎週日曜・開催されています。)
銅版画の
いろはの「い」から教えていただいて・・
最初にできたエッチング作品がこちら。
(2015年 「Lesson」)
2015年春から
月に一回、通って、
いくつか作品を制作しました。
当時、教室近くにあった
古道具カフェeightさん
初期の銅版画作品をポストカードにして
販売もしていただきました!
eightさんには
今でもグッズ置かせていただいています。
そんな京都でのご縁、
楽しみもあって・・
通うのが本当に楽しかったです。
でも、
1年半?か2年ほど経ったくらい、
諸事情で、
月に一回でも通うのが難しくなり、
もう3年ほど前から
行けていないのですが(残念・・)
たくさんある技法の中の
基本的な技法ならできるようになったので、
あとはなんとか自宅でできるように
小さなプレス機を頑張って買って
(高いから!←言わなくていいw)
今に至っています。
短い間でしたが、
先生方には
本当に本当にお世話になりました。
通った期間は短かったですが、
わたしが
「できたらもっと通いたい」って
思えているのは、
先生のお一人が、
いつもおっしゃっていた言葉があるからです。
生徒さんが
自分の作品を先生に見せて
「どうですか?
これ、ダメですか?」
とお伺いを立てても、
どの作品についても、
先生は、
「良い・悪い」のジャッジをされずに、
「好み。
好み。(ニコニコ)」
と、本当にニコニコと、
「好み、だから。」
と一貫しておっしゃってたんですよね。
それがすごく好きだなあー!!
って思ったんです。
これまでの講座類(だけじゃ無いですけど)
だいたいなんでも、
良い悪いという判断下されがちですよね。
まず、
目上の人からの意見「良い悪い」で
左右されるし、
そして作る方もいつしか次第に
自分の作品を「良い悪い」で判断するようになる。
確かに俯瞰で眺める目は必要だろうし、
それで冷静にみて
試行錯誤して
「より素敵なものを作るため」に
切磋琢磨して・・
結果良い場合も、もちろんありますけど、
基本姿勢(思想?)が、
「良い?悪い?」オンリーになると
そんなの
振り回されっぱなしになるし、
どこかで挫折はしますよ・・。
そのうち、いつしか
「自分の、好き」という感覚すら忘れていく。
そんなのおかしいよ。
・・と、
昔から、学校生活時代から、
それは感じてきたこと。
この銅版画教室は、
それが、無いから、好きでした。
えー、つい暑苦しく書きましたが、
そんなこんなで、
京都の教室のおかげで、
自宅でも製作できるようになった2018年。
ただ、小さなプレス機なので、
ポストカードサイズくらいまでが限界で、
それ以上大きな作品は刷れない・・
というジレンマを抱えながら
過ごしていた2019年・・・
の・・・
夏! (いきなりどうした)
「これは奇跡の出会いだ」
と思ってしまう
銅版画にまつわる
ありがたすぎる出会いのギフトを
私は、もらってしまうのです。
これは、本当にミラクルで、
なおかつ、
いろんな方にこれまた
すごくすごく助けていただいたお話です。
次回に続く。(え)
今日も読んでくださって
ありがとうございます(*^^*)
現在、発売中の銅版画作品
こちらはすでに売り切れてしまいましたが
写真だけでも・・
銅版画を製作する時間は
本当に、
気持ちがシーンと・・落ち着いて、
ただただ集中して、心地いいものです。
長く長く続けたいです。
銅版画作品「Dance Dance」
商品紹介
関連情報